サラリーマンからご夫婦で7年前に農業へ大転身 自然栽培米/百歳農園 /埼玉県熊谷市

サラリーマンからご夫婦で7年前に農業へ大転身 自然栽培米/百歳農園 /埼玉県熊谷市

百歳農園/埼玉県熊谷市

今年7年目の自然栽培米農家*百歳農園/埼玉県熊谷市


ご紹介する百歳農園さんは、農薬・除草剤・化学肥料・有機肥料を使わず、固定種・在来種の種からお米を作っている農家さんです。
埼玉県の北部にある人口は約19万人ほどの都市、熊谷市にあります。
どなたも何となく耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そう。熊谷と言えば、例年「最高気温の記録」で有名な場所ですよね。あの、熊谷です(笑)

熊谷と言えば、都会からだいぶ奥に入ったイメージがあるのですが、実は、東京の新宿から電車を使っても1時間くらいの場所に位置しています。そして、駅から車で15分くらいの農家集落の一角に、日々の百歳農園さんの営みがあります。

8月の上旬、例年にも増して猛暑続く本当に暑い中、代表の高島悟さんと奥様の和子さんに、お話を伺いました。



サラリーマンから50代での大転身!!


悟さんは、元々は自然栽培とは程遠いイメージのサラリーマンのエンジニア。
和子さん曰く「とにかく真面目に働く典型的な日本のサラリーマン」で、まさか、起業するとか、農業を始めるなど、予兆すらなく、全く想像すらつかないようなタイプだったそうです。

特に健康を意識した生活をしていたわけではなく、食後に袋入りのポテトチップスを全部食べてしまうくらい(笑)
そんな訳で、食には一切興味のない生活をしていました。
なんとも今の悟さんからは全く想像がつかない姿。。。(笑)
そんな日々を送っていた、今から約9年ほど前のこと。
ハードな仕事に追われる日々の中で、精神的にも追い込まれてしまい、薬も常用するほどの身体に。。

と、まあ、ここまではよくあるお話なのですが、悟さんの場合、そんなある日、とても不思議なことが起きたのです。
錠剤一個で頭が真っ白になり、何かの反動なのか、「これはおかしな事が起きている」「このままではいけない!」と、気づき、ご自身で色々と調べはじめたのだそうです。
そんな中、食の大切さを知り、食べ物を変えていくことで、身体がみるみるうちに変わり、さらには頭までスッキリとして。
「良いものを選ぶため、最初はお取り寄せをしていたけど、そのうちに、それよりも自分で作った方が早いし、良いと思っちゃった。」そう、笑いながら話す悟さん。

さらには
「色々と調べていくうちに、世の中のおかしさにまで気づいちゃって。ホント愕然としたんだよね。
自分の人生って、なんだったんだろう。なんて無駄な50年だったんだろうって。今やってる仕事だって、全然、子供達のためになんてなっていないじゃないか、って気づいちゃって。(悟さんの仰る子供たちは、決して自分の子だけの話ではない。地球の未来を繋ぐすべての子供たちのことです。)
だから、結構な覚悟は必要だったけど。 本当にね、震えるほどの覚悟が必要だった。でも、そこからが【新しい本物の人生のスタート】だったな」

子育てが終わり、普通だったら、これから二人ゆっくり過ごしていこうというタイミングでの、ご夫婦での農家スタート。
お身体を壊されたことで、普通だったら薬漬けの生活から抜け出せなくなりそうなところ、不思議とメッセージを掴んで、どんどんと良い方向に転換されたお話に、強さと、ある種彼らに託された使命みたいなものを感じずにはいられませんでした。

「基本は能天気なんだ(笑)」と悟さん。
「うちは仲が悪いんで(笑)」と和子さん。
そう言いながら、同じ方向を向いて、大切な想いを共有し合って、前に進まれている。
明るくパワフルな笑顔と、笑いが絶えないご夫婦。

多くの方が途中でリタイアしてしまう中、ご縁のあった熊谷の土地で、農業に転身して切磋琢磨する日々。
100歳まで農家を続ける。だから百歳農園。彼らの体験や経験から来る一つ一つの言葉は、とても力強い。


時代を巻き戻せ。一番のこだわりの品種は「陸羽(りくう)」


百歳農園さんの田んぼには、数多くのお米の品種が存在しています。
悟さんは、単なる興味本位だよと言いつつも、多数の品種のお話を嬉しそうにされるのです。

「陸羽(りくう)」「朝日(あさひ)」「亀の尾(かめのお)」「不作不知(ふさくしらず)」
「ハッピーヒル」「愛国(あいこく)」「保村(ほむら) 」「太郎兵衛(たろべえ)」。。

米の品種なんて、数年前までコシヒカリとあきたこまちくらい?全然わからなかった私。
そんな私が、百歳農園さん主催の「玄米炊き方教室」に参加させていただいて、米の家系図なるものの存在を知りました。調べてみると、日本国内では、実に300種類以上のお米の品種が作付けされているのです。
「コシヒカリ」「あきたこまち」といった品種が、一般的にはよく知られていますが、
それらも実は明治時代に作られたもので、百歳農園さんの田んぼにもある「朝日」と「亀の尾」の2品種から改良されたものなんです。

ちなみに百歳農園さんの一番のこだわりの「陸羽(りくう)」は、日本で最初に「亀の尾」と「愛国」で人工交配されたと言われています。
他にも「不作不知(ふさくしらず)」という品種も作っていて、こちらは、明治時代に埼玉県で生まれた品種とのこと。埼玉県民の私としては、これが一番気になっていて、食べてみたい品種の一つです。

現在、日本には本当に沢山の品種が存在していて、一般のお店には、育てやすい、天候の変化に強い、冷えても美味しい、等々、どんどん品種改良を重ねた、流行りの新しいブランド米が並んでいます。
そんな中、高島さんは自然栽培に拘りながら、時代を逆行するかのように、本家を遡っていきます。

それぞれの品種が世に出た時代に生きた人々は、どんな思いでそれを食べていたのか?
高島さんの作るお米を噛みしめる度に、その時代へと想いを馳せ、またこの先の未来へと想いを繋いでいく。
夢が広がります。


ROAD TO 「はざ掛けロード」


ところで、皆さんは「はざ掛け」ってご存知ですか?
まずは、高島さんのご自宅に飾られている一枚の絵をご覧ください。


これが、最近は見なくなった「はざ掛け」です。
和子さんのお母様が水彩画が趣味で書かれたそうですが、訪れた皆さんが見られる場所に飾ってあり、私自身も子供の頃を思い出させてくれる、大好きな絵です。

百歳農園さんの周りは田園地帯で、夏はあたり一面が黄緑色の穂が並ぶ、なんとも美しいエリア。
ただ、残念なことにこの辺りも農家さんの高齢化、人手不足で、年々その美しい景色は失われつつあります。

「今は無農薬がいいと思ってくれる人たちも増えたけれど。
昔から農業を守り続けてくれた古くからの農家さん達は、国の言うことに真面目に従い、頑張って日本の食を支えてくれていた人たちなんだよ。
そんな人たちが、去年、今年と次々に辞めていく。農家さんが1軒1軒減っていっている状況。
日々丁寧な仕事をされて一生懸命頑張ってくださってる方々はいても、従事する方々の高齢化もあるし、国からの補助も減り、続けること自体が困難になっているから、今は慣行農法の農家の人ほど大変な時代。」と高島さん。

食は命だから。
実際に不調を体験し、農業を始められて、現状を目の当たりにしてきたからこその想い。
紡がれる言葉は、重く、強く、心の奥深くに響いてゆきます。

ただ、今までの慣行農業のやり方では限界が来ているのは確かなこと。
これは、自然栽培がいい、農薬使わない方がいい、といった単純な問題ではなく、どの農家さんにとっても持続可能なやり方、システムが必要だということ。
そして、これは農家さんだけの問題ではなく、お米を食べている、我々日本人一人ひとりが、今、日本で起きている問題にほんの少しでも目を向け、また、毎日の食のことも、未来の世代のためにも本当に良い循環を生むものなのか、自分の身体にとって安心安全なものなのかも考えていく必要がある話。
すべては「命」に繋がっている大切なお話。
この取材を通し、私自身も食、命のこと、改めて色々と考えさせられました。


さて、自然栽培のお米ではこのはざ掛けを行うことにより、味が全然変わってくるとのこと。
以下、高島さんのはざ掛けについてのSNS投稿から抜粋させていただきました。

「はざ掛け天日干しすることで、お天道様の元で、自然の光と風でゆっくり乾燥する。
刈られても、3日くらいは生きてる稲。最後の養分を、命を、米に注ぎ込む。
米は「種」ですから。稲の子どもですから。
という説明を良くするけど。もちろん、そう信じてやってるけと、じゃあ、コンバインで刈って乾燥機で乾燥した米はダメなのか、美味しくないのかって言うと全くそんなことはなく、美味しいお米を作られてる方は沢山います。

稲刈りだけじゃなくて、種蒔きから育苗、田植えなど、全ての過程で栽培者の気持ちが行動に現れ、稲にも伝わるんじゃないかな。生き物だから。気持ちがあれば、毎日様子を見に行くし、声をかけるし、小まめに水の管理をするし、草取りもして、見て、触れて、稲も感じてるんじゃないかな。
これは、農法には関係ないこと。どんな農法でも栽培者の気持ちがお米に伝わると思います。

業としてやるには、ある程度機械に頼らざるを得ないですが、便利で大きい機械ほど作物からの距離が遠くなります。物理的にも心理的にも。
だからこそ、機械作業以外で、どれだけ稲に近づいているかが違いに現れる気がします。
草取りで田んぼに入って稲に触れるのと同じように、はざ掛けするときに全ての稲に触れて、見て、ここまで育ってくれた感謝の気持ちが自然と湧き出る。
そんな意味を感じています。

それともうひとつ。
単純に、このはざ掛けの風景が大好きで気持ちいいから(笑)

昔は当たり前だったこのはざ掛け風景、今の時代では面倒と言われることを当たり前にやってた時代。
テクノロジーに溺れて心がなくなっていく世の中に、はざ掛け風景を沢山作って、時計を逆回ししたいなどと思ったり。」

子供の頃の稲刈りの季節。田んぼには、普通にそのはざ掛けの景色があちこちにありました。
便利さ、効率を追求した時代の流れの中、結果、大切な日本人のお米でさえも段々と簡素化されて、そんな景色は消えつつあります。
百歳農園さんでは、ここでも敢えて時代を巻き戻し、年々はざ掛けの風景を増やしています。
高島夫妻のファーストステップの夢は、収穫シーズンには、辺り一面をはざ掛けでいっぱいにして、「はざ掛けロード」と呼ぶ道にすることだそう。イメージできることは具現化できますから、これは必ず実現しますね。
私も少しですが、そのお手伝いが出来ましたら幸いです。


「目指すは世界平和」お年寄りから若者まで勝手に人が集い、笑顔広がる


高島さんのご自宅には、いつも本当に沢山の人が集まっています。


親族の方をはじめ、ご友人方、遠くはるばる、県を跨いでまでお越しになる援農のサポーターさん達。

農業の営みのみならず、自然栽培を学びたい方のための無肥料のセミナーから、何年も続けていらっしゃるお米やお味噌のワークショップ、毎月第3日曜日の人気のマルシェ。

そういった沢山のイベントも開催されていらっしゃるからか、はたまた夫婦漫才のような掛け合いが魅力的だからか、百歳農園さんのファンは、日々増え続けています。
そこには本当に感謝しつつも、それでもまだまだ全然やりたいことが出来てない、と高島さん。
目指すテーマは「世界平和」壮大です。
でも、日々の地道な作業が、そこに繋がっていくことをちゃんとご夫妻はご存じです。
だからこそ、日々を丁寧に生き、時間を巻き戻すような、時を遡るような作業を続けておられるのです。

悟さんは、裸足で農作業を行っています。
もう、痛いとかいう感覚はなく、なんともない、と言います。
物事に対して、良いとか悪いとかのジャッジなく、あるがままを受け入れて、自然とただただ一つになっていく。
悟さんからはそんな、言葉にならないメッセージをいつも受け取っています。
「基本中の基本は、自然に寄り添って生きること。
そのためにも、出来るだけ自然に負荷をかけず、自ら自然の摂理の中で植物を育て、その命をいただく、ということがとても大切だと思っています。その命は、理屈抜きで美味しく、健全な心と身体の源となることでしょう。
食することだけではなく、畑で身体を動かし、土に触り、植物に触ることで自然の菌に触れることになります。
単に身体を動かす「運動」ではなく、この「自然の菌に触れる」ということもとても重要だと思います。」
そう仰る、悟さん。

いつの時代も、言っていることとやっていることが合致している人たちが、世界を変えてきたのです。
高島さんご夫妻の営む農の先に、日本の未来があります。
田んぼに関わること、はざ掛けをお手伝いすること、高島ご夫妻に関わることで、日本人の持つ大切な何かを思い出し、貴方のDNAもきっとONになります。
私を含め、そんな人たちが集い、日本語を響かせ、語り合うこと、笑い合うことで、いつの日か、本当に世界平和を実現していくのだと、私は確信しています。
優しい世界を次世代へと繋ぎたい。
少しでも何か響くものがあれば、ぜひ何らかの形で百歳農園さんと繋がってみて欲しいと心より思います。

百歳農園さんのお米は全て農薬・除草剤不使用、無施肥、はざ掛け天日干しのお米です。
今回こちらの「八方つながり」での販売は「朝日」という品種のお米です。
「東の亀の尾、西の朝日」と言われたほど食味の良い代表的なお米です。ちなみに亀の尾は明治時代、朝日は大正時代の古い品種で、今のほとんどのお米は、この亀の尾か朝日の子孫になります。(2020年より自家採種)

荒れ狂う時代の流れと逆行しながら作った、優しいお米を、皆様にお届けできることを嬉しく思います。


【文章監修*徳岡優子】
【ライター*原早苗】


■商品について
・11月20日以降、準備整い次第順次発送いたします。
・単品で分つきや白米をご希望の場合は玄米のカートに加えて、分つきカート(3分・5分・7分・精米)をご購入ください。尚、精米後は1割強重量が減りますのでご了承ください。
・定期便にて精米をご希望の方はhyakusaifarm@8-pou.comまでご希望の3分・5分・7分・精米をご連絡ください。
・お米は色彩選別機にかけていますが、完璧に選別出来る訳ではありません。
そのため、まれに黒っぽいお米や籾付きのお米が残っていることがあります。
何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
・玄米の場合、少量の籾が混じる場合があります
・5分づきは、精米時の見た目で判断となりますので、その時々によってばらつきが大きくなる可能性があります。また、見た目判断のばらつきを許容いただければ、白米に近い7分づきや、玄米に近い3分づきなども対応します。
精米ご希望の方は別途精米カートをご利用ください。
・高価な色彩選別機は持っていないため、斑点米、着色米など、見た目の悪いお米も入っています。食べても全く問題はございません。
・全品種同じ機械を使っていますので、他品種が少量混じる場合がございます。
・古い品種かつ無施肥栽培ということもあり、粒が小さく、精米した場合(特に家庭用精米機の場合)割れ、欠けが発生しやすいです。
・熊谷市はラジコンヘリによる地域一斉の農薬空中散布が行われています。もちろん百歳農園の田んぼには直接散布はしていませんが、隣の田んぼに散布された場合は、約2m以内の稲については自給用とし販売しておりません。ただし、それ以上に飛散した農薬がかかっている可能性は否定できませんので、その点はご了承の上ご注文をお願いいたします。

地球環境と食べる方への影響を考え、よりよい栽培方法を日々模索しています。


◎農薬.除草剤不使用
・農薬・除草剤は一切使用しません。
・農薬処理された種子は使用しません。
・販売されている、農薬処理された種子から育てられた苗、農薬散布された苗の購入・使用はいたしません。
化学肥料・動物性有機肥料不使用化学肥料は使用しません。動物性有機肥料については、遺伝子組み換えの合成飼料やワクチン、ホルモン剤、硝酸態窒素の問題を考慮して安全なものを適量使うことは否定いたしませんが、その管理の難しさを考慮して百歳農園では使用しないこととしています。

◎遺伝子組み換え種子・F1種子不使用
遺伝子組み換え種子は使用しません。F1(一代交配)種子も、近年雄性不稔植物を使用した生産が拡大しており、その安全性に疑問を持っているため、百歳農園では使用しません。

◎化学物質過敏症の方へ
百歳農園では極力化学物質は田畑へ入れない栽培をしていますが、始めて日が浅く、前使用者による農薬等の残留あると思われます。軽度の過敏症の方なら大丈夫かもしれませんが、重度の方にはまだ食べていただくことは難しいと思います。月日を経て、どなたにも食べていただけるよう努力します。

■商品のお受け取りについて
・発送はヤマト運輸でのお届けになります。
・発送完了のご連絡は、配送業者の「お届け通知」にてお知らせいたします。配送業者からのメールを受け取れるように、 お客様ご自身で設定をお願いいたします。
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・お客様のご都合により受け取りができなかった場合も、商品代金の返金には応じかねますのでご了承ください。

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それでは商品がお手元に届くのを楽しみにお待ちください。

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