全国の中高生と木の糸でできたハンカチを作って森林を守りたい
ポケットに森を!∼木糸ハンカチプロジェクト∼
――木の糸でできたハンカチを作って、「ポケットに森を!」
そんな発想に至ったのは素晴らしいご縁がキッカケだった。
私たち東京学芸大学附属国際中等教育学校ソーシャルアクションチームは、ある日のこと、音楽家の坂本龍一さんが代表を務める森林保全団体・一般社団法人more treesと出会った。more treesの事務局長である水谷さんは、私たちが知らない日本の森林のこと、そして世界の森林のことを教えてくれた。
地球温暖化の時代、森林の多くが失われている世界各国と同様に、日本の森林も減少しているのだろうと思い込んでいた私たちが知ったのは、その逆の事実。
日本の森林は豊かであるにもかかわらず、様々な要因で為されるべき「間伐」がされないために、森がCO2を吸収できなかったり、土砂崩れなどの二次災害を引き起こす要因になっている、というのだ。
私たちは、あまりにも日本の“今”を、世界の“今”を知らない。
けれど私たちZ世代は、気候変動など環境問題への関心は他の世代よりも強い。
ただ、学んだこと、見聞きしたことを深く考えることなく過ごしてしまっているのではないか。大事なことを見過ごしてしまっているのではないか…。私たちは、環境問題をジブンゴト化することができていなかったことに気づいた。
こうして知ってしまったからには、何か行動を起こすチャンスがあると感じた。
問題を無視してしまえば、私たちが生きる未来をこの手で壊すことになり、私たちが愛する家族や友人たちが苦しむ未来に繋がってしまうだろう。
――では、どうすれば未来をより良くできるのか。
ソーシャルアクションチームのみんなで意見を出し合い、縺れた考えをより分けていくうちに、文字通り、それは一本の糸へ繋がっていった。
“木糸”(もくいと)――それは日本の国産材を和紙にし、木の糸にしたもの。日本の伝統技術が織りなす、まったく新しい、そして環境に配慮された素材だった。
利用されず、余っていた間伐材を再利用した100%の和紙で開発した木糸から作られたアイテムからは、木の香りがする。まさに森そのものを身近に携えることができるのだ。
私たちは、そんな木糸からハンカチを作ることに決めた。
新型コロナウイルスが蔓延する世界で、手洗いの習慣がますます重要となる中、ハンカチはもはや生活必需品。外出自粛が求められる暮らしに、森が香るハンカチをいつでも持ち歩ければ、外に出なくても森林を感じ、ちょっとした癒しの時間を過ごすことだってできる!
――「中高生がZ世代としての意識を持ち、環境問題を自分の暮らしとリンクさせ、ジブンゴトとして捉えられる世の中」を創りたい。
そんな使命感から、私たちは全国の中高生からハンカチのデザインを募集することで、より、ジブンゴトとして捉えてもらえるのではないかと考え、デザインコンテストを開催することにした。
中高生から集めたデザインをもとにハンカチを制作し、その後はワークショップやイベントなどを企画して、日本の森林の現状や森林保全の大切さについて伝えていく活動に繋げていく予定だ。
【デザインコンテストへの応募方法】
募集期間:2021年1月18日(月)~2月19日(金)
私たちはまだまだ経験が浅い中高生だけれど、絶対にこのプロジェクトを成功させるという信念がある。
これからの未来を担うZ世代たちが、木糸ハンカチを身に着けることで、森林保全にすこしでも注意を向けるようになっていってほしい。
そしていつか、木糸の素材で出来たものを身に着けることが世界中のニューノーマルになっていってほしい。
私たちが紡ぐ糸で繋がり合い、みんなが無意識にも環境を守る一歩となることを願っている。
愛と青春をかけて、この物語を皆さんにお届けします。
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東京学芸大学附属国際中等教育学校ソーシャルアクションチームとは
東京学芸大学附属国際中等教育学校ソーシャルアクションチームは、中学1年生から高校3年生までの約40名からなる、10年の歴史を持つボランティア部です。
現在新型コロナウィルスの感染拡大により普段の活動が困難なものの、通常は週に1回、放課後の部活動の時間に加えて、休日や夏休みなどでは地域のイベントのお手伝いや、地域まちづくりを学ぶスタディツアー、主催イベントなどを行なっています。
地域の魅力や課題を発見・発信・解決するjimoto プロジェクト、寄付のチカラを子どもや中高生に向けて発信するGiving プロジェクト、ケニアでの女子教育の普及を目標に資金調達を行うケニア学校建設プロジェクトなどと、国内から国際的な課題解決に取り組んできました。
ホームページ:https://www.tguissvt.com/
メンター実行責任者(メンター):藤木 正史
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