エシヌ(吉野)の森で自然と共生する暮らしと手仕事を体験するシェア工房を創る【おおかみ工房プロジェクト】
繭から糸をひき、山の湧水で染めて、織る。昔ながらの様々な手仕事と暮らしを共有し次代へつなぐ宿泊型体験工房プロジェクトに参加しませんか?
紀伊山地の壮麗な自然が息づくところ、奥大和。その北東部に位置する奈良県東吉野村は、神話が息づく場所です。例えば、いまから約1300年前に創建された「丹生川上神社」。ここには水を司る神様が祀られ、その神域に「夢淵」という、神武天皇が大和国の平定のため、未来を占った場所も存在します。
この地に暮らす一人に、宇都宮 弘子さんという方がいます。彼女は、この奥大和に古くから受け継がれて来た林業家の家を拠点に、染織工房『空蝉』を営んでいます。
季節が移ろうごとに、生と死を繰り返す、樹木や草花からは色を。
まばゆいほどに白く輝く蚕からは糸を。
自然の恵みと、生きものの大切な命をいただき、暮らしながら作品を生み出す彼女は、創造の中で得た感覚を、こう表現します。
──たとえば樹々や草花から色を染める時、手の中で揺れる布は少しずつ色を含み、だんだん濃い色に変わっていきます。それは自然と対話し、呼吸する時間。
そして最後に山の湧水で洗うと、植物の生命そのもののような色が鮮やかに目の前に現れる。そんなとき、「自分がこの大きな自然のほんの一部になっている」と感じ、えもいわれぬ幸福感、安心感で満たされるのです。
これは体験した者にしか味わえない、かけがえのない瞬間。
宇都宮さんは、この感覚を自分だけのものにしておくにはあまりにもったいないと考えるようになりました。そして、工房を改修し、様々な手仕事と「衣・食・住の体験」を共に楽しめる場として提供していくことを決めたのです。
■ 宿泊もできる工房として、自然と共生する暮らしの体験
■ 工房脇の畑と裏山で、糸の材料となる植物や、草木染めの染料となる植物を栽培・植林し「育てながら使う」循環型のものづくり体験
■ これまで提供してきた「糸作り」「草木染め」「機織り」の体験に加え、奥大和で暮らす様々な分野のクリエイターたちを招いて、村内外の人々が交流できる場の提供
自然という、フレームの無い芸術そのもののなかで、呼吸し、食事をし、眠る。目覚めたら、自然から材料を頂いて、糸を紡ぎ、機を織り、色を染める。
そんな世界に自分自身がいると想像したら、心が震えるようではありませんか?
“エシヌ”──それは吉野の古名。「美しい野や山」を意味するこの地で、あなたならではの、もう一つの世界を見つけに来てください。宇都宮さんがあなたをお待ちしています。
プロジェクト誕生の物語をVibes.mediaで読む
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メンタープロフィール
宇都宮弘子
広島大学卒業後、東京の百貨店に入社。顧客とのコミュニケーションメディアの開発に従事。この分野での知見を深めるため、29歳でNYU留学を志しNYへ。大阪と東京を行き来する生活の中で香港映画に出会い、映画会社を立ち上げる。その後、東日本大震災、および、尖閣諸島問題をきっかけに映画会社を閉鎖。
多くの方々に支えられながら、染織の道へ。
2017年11月、東吉野村への移住をきっかけに、染織工房『空蝉』を開く。
染織工房空蝉 https://utsusemi-nara.com/
紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=sMc83-0MEXU