【トルコ・シリア地震緊急支援】医療、捜索・救助、物資の緊急支援を現地へ
〜100年を超える日本との絆。今こそ動くとき〜
死者5万人越え。「史上最悪の地震」
(ピースウィンズ ・ジャパン提供)
2023年2月6日、トルコ南部のシリア国境近くで、マグニチュード7.8という、大規模な地震が発生しました。その後も断続的に揺れが続き、死者はトルコとシリアを合わせて5万を超えたと伝えられています。
現地では懸命な救助活動が続けられていますが、厳しい寒さもあって難航しており、被災地の治安悪化や被害の拡大も懸念されています。
家を失った地震生存者たちは、氷点下の天気の中、自動車や臨時テントなどで夜を過ごしており、仮住まいに滞在する被災者は75万人を超えました。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は「多くの生存者が今恐ろしい環境で野外に留まっている」とし「捜索・救助作業と同じ速度で支援に出なければ、より多くの人が二次災難に直面する危険がある」と話しています。
不安が続く、被災地の状況
各メディアで緊迫する被災地の状況が伝えられています。
以下、AAR[難民を助ける会]トルコ事務所代表ハリル・オスマン氏から現地報告を頂きましたので、ここに記載します。
(AAR[難民を助ける会]トルコ事務所代表ハリル・オスマン氏)
大地震が発生した6日、私はイスタンブールを出発し、7日に被災地に入りました。被災地では家を失った被災者が氷点下に下がる気温のもと、簡易宿泊所や大型テント、もしくは車の中で不安な夜を過ごしていました。私たちは現地のネットワークを生かして支援物資を調達し、7日夜に被災地で被災者に毛布と子ども用おむつを届けました。被災者には幼い子どもが多く、「厳しい寒さの中、どうすることもできずにいました。子どもたちの分だけでも毛布をもらえて本当に助かります。」という声が聞かれました。
被災地では物流が完全に止まっており、薬局には長い列ができています。電力や水道などのインフラも機能しておらず、トイレも十分にありません。AARは近隣の都市から物資を運んでいますが、調達・輸送は困難を極めています。私たちはビスケットなどすぐに食べられる食料詰め合わせ、毛布、下着セットを配付しました。しかし、ニーズが高い子ども用ミルク、医薬品や衛生用品などが不足しており、子どもを抱えた家族が途方に暮れる姿に私自身もどかしさを感じています。
100年を超える、トルコと日本の絆。今こそ動くとき
(ピースウィンズ ・ジャパン提供)
親日国として知られるトルコですが、実はその裏に、100年を超える深い絆の歴史がありました。きっかけは「エルトゥールル号遭難事件」。
1890(明治23)年に親善訪日使節団として来日したトルコの軍艦エルトゥールル号は、帰路で和歌山県串本町の沖合で暴風雨により遭難しました。500人以上の命が犠牲になりましたが、地元の住民らの懸命な捜索や救助活動により70名近くを救助することができた、という出来事がありました。
その95年後。1985(昭和60)年、イラン・イラク戦争が勃発した際、イランの首都テヘランに取り残された日本人215人全員をトルコの救援機が救出しました。トルコ航空が日本人を救出してくれた理由として、当時の駐日トルコ大使は「私たちはエルトゥールル号の借りを返しただけです」と答えたそうです。遭難事件はトルコの教科書に載るなど、ずっと語り継がれてきたのです。
そして、12年前に起きた2011年の東日本大震災でも、トルコから緊急援助隊が駆け付け、救援物資や義援金など手厚い支援が届けられました。
100年を超える年月の中、有事の際に支えあってきたトルコと日本。
自然による災害は誰も避けて通ることはできないからこそ、共に乗り越えていかなければなりません。
いま、求められている支援を
(車両で支援物資を運ぶAAR職員)
自然災害の際に、何度もトルコをはじめとする多くの国々に助けられてきた私たちだからこそ、その恩に報いるべく、できることを最大限やろうと、NPO法人SPINプロジェクトは「One Love Project」として緊急支援を募ることを決めました。
現地で支援活動を行う団体と連携し、被災状況や支援ニーズの調査および捜索・救助支援、医療支援、緊急物資支援などを実施します。
我々も12年前に経験して分かる通り、これまでの日常を取り戻すには長い戦いになります。
これからを生きる子どもたちの未来、守られてきた文化や伝統、芸術…。多くの才能を守り、育んでいくのに国境は関係ありません。ボーダーを取り払い、みんなで守り、育んでいくこと。そのために一歩踏み出すことが今求められています。
日々、様々な情報が錯綜していますが、大規模な支援が必要なことは明らかです。
一刻も早く、最も信頼する支援先の方々と共に、今求められている支援を届けます。
あたたかいご支援を心よりお待ちしております。
◆支援先団体
1、認定NPO法人ピースウィンズ ・ジャパン
認定NPO法人ピースウィンズ ・ジャパンは、日本に本部を置き、国内外で自然災害、あるいは紛争や貧困など人為的な要因による人道危機や生活の危機にさらされた人々を支援する国際協力(Non-Governmental Organization = 非政府組織)です。
日本に本部を置き、1996年に設立されてからこれまでに世界36の国と地域で約160万人の人々を支援してきました。
また、医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」を運営し、国内外の災害被災地で支援活動を行っています。
2月6日にトルコ南部で発生したM7.8の大規模地震を受けて、日本から緊急支援チームを現地へ派遣しています。また、2013年からピースウィンズが支援を行ってきたシリアでも被害が大きかったため、現在は両国への支援を行っています。
支援チームは医師・看護師やレスキュー隊員からなり、被災状況や支援ニーズの調査および捜索・救助支援、医療支援、緊急物資支援などを実施しています。
※被災状況・支援地域については、情報が日々アップデートされています。HPやSNS等で発信・更新して参りますのでご参照ください。
(ご参考)緊急支援情報ページ:https://peace-winds.org/news
2、認定NPO法人 AAR Japan [難民を助ける会]
AAR Japan [難民を助ける会]は、1979年に日本で発足した国際NGOです。現在は国内外16カ国で、政治・思想・宗教に偏らず、「困ったときはお互いさま」の精神で、紛争や災害あるいは障がいなどによって困難に直面した人々を支援しています。
AAR Japan[難民を助ける会]は地震が発生した当日から被災地支援を開始しています。イスタンブール事務所の現地職員を被災地に派遣しており、2023年2月7日以降、被災者へ毛布や食料、子ども用おむつなどを届けています。被災地からは食料や子ども用ミルク、衛生用品、テント、薪ストーブなどのニーズがあり、AARは可能な限り現地で調達して配付を続ける予定です。
※One Love Projectについて
「NPO法人SPINプロジェクト」が主催する、「One Love Project」という活動の趣旨は、紛争や災害などの有事の際に一刻も早く、最も信頼する支援先に、世界中からの支援金を送ること。100年後、その先の未来までずっと残したい文化遺産や芸術、私たちの歴史を守る──そんな意志を掲げ、One Love(一つの心)の名のもとに、約19ヵ国より集まった若いメンバーたちにより2020年より始動しています。
◆ One Love Project スローガン
文化・芸術の灯に愛をともそう。有事の際、最前線で命をかける人々へ、世界からの愛を届けよう!
手数料0円、透明性がある支援先、最短4日で送金
安心して支援金を送ることが可能
集まった金額は、システム手数料0円にて、責任をもって「NPO法人SPINプロジェクト」が信頼できる団体へお送りし、その後、具体的にお金が何に使われたかは、活動レポートでご報告いたします。
One Love Projectの詳細はこちら:
https://spin-project.org/one-love-project#revealed
プロジェクトのレコメンダーになり応援メッセージを送る
プロジェクトのレコメンダー(推薦者)として参加していただくことで、被災地の方々へ勇気や希望をメッセージとして届けることができます。レコメンダーとしてプロジェクトにご参加いただけましたら幸いです。詳細は、こちらのリンクをご覧ください。
(https://npo-spin.org/recommenderguideline.pdf)
以下STEPを通して応援メッセージ(レコメンダー)を送る。
STEP 1.ボタン「レコメンダーになる」をクリック
本ページを下までスクロールいただきますと「フェーズ情報」、「フェーズタイトル」、「フェーズの目標」欄が表示されます。その下に「レコメンダーに登録しよう」という欄が表示されますので、「レコメンダーになる」ボタンをクリックしてください。
STEP 2. SPINへのアカウント登録
ご登録の際は、本名と、ご本人が特定できる写真をご使用ください。匿名でのご推薦では信頼度を上げるという点において効果が薄いためです。ご登録は、SPIN WEBサイト(https://spin-project.org/)の「新規登録」ボタンからご登録も可能です。
STEP 3.レコメンダー登録欄に推薦文を入力してください。
推薦文はタイトルのみ掲載することも可能です。
・メッセージタイトル (75文字まで)
・メッセージ本文 (200文字まで)
STEP 4. メンターであるプロジェクト発起人の承認を待つ
メンターから承認がされ次第、プロジェクトのレコメンダー一覧に掲載されます。
STEP 5. SNSでシェアする
ご登録後は、SNSでプロジェクトをシェア・拡散。
Editor & Writer:Toshi Asaba