瑞穂の国 ~初めてのお米作りと向き合い、奮闘する、一人の女性の物語~ 京都府
京都府京丹波町 慣行農法から特別栽培米への転換
≪瑞穂の国 「甦り」の場*すずなり≫
京丹波町の里山の古民家を改装して作られた、女性専用のリトリート農家民泊「すずなり」の運営をしながら、農業を営む、南かおるさん。
彼女は、今年初めてのお米作りに挑戦している。
(Photo by KAI)
かおるさんが住まう土地は、京丹波町の中で、旧瑞穂地区と呼ばれる場所。
瑞穂とは稲穂がみずみずしく実るさま。 そんな地で、今年から彼女が始めた稲作。
彼女が作るお米は「瑞穂の国」と名付けられた。
かおるさんが営む「すずなり」は、日常から離れた自然の力溢れる場所で、自家製酵素ジュース断食で、デトックスしながら、必要があれば、エステ・マッサージ・心理カウンセリングのサポートも受けることができる宿。
断食はせず、 同じく彼女の運営するファームで農体験し、土に触れることでの畑セラピーも可能。
(すずなり外観)
いずれにしても、一旦、慌ただしい日常から離れ、疲れた心と身体を休め、心身共にデトックスすることで、
リセットし、本来の自分自身のパワーを取り戻し「統合」するための、いわば 「甦り」の場を提供しているのだ。
そんな彼女が、何故、「お米を作る」ことになったのだろうか?
≪マクロビオティック~リトリートへ≫
彼女はとにかく聡明だ。 そして、とても真面目だ。
言葉は澱みなく、核心を突きつつも、思いやりを持った話の展開をする。 相手を慮る配慮と優しさ。
人の話を聴く姿勢に、心理カウンセリングをしている、と聞いて深く納得した。
(Photo by KAI)
さて、京丹波町は、元々の彼女の地元ではない。
以前は、京都の中心地*四条烏丸で、アーユルヴェーダのエステサロンの店長をしていたそうだ。
聡明な方だけに、様々な世界情勢を鑑みて、田舎暮らしを始めたのかな、などと勝手な想像をしていたら、全く違った。
彼女は、忙しさのあまり、そして真面目さ故に、病んでしまったのだ。
そして、病んだのはこの時が初めてではないという。
27歳の頃の彼女は摂食障害に悩まされていた。 いわゆる過食症という病。
食べる、戻すの無限ループの中、マクロビオティックに出会ったことで、過食もさることながら、不眠症をはじめとする、あらゆる不調が改善された。 マクロビオティックの陰陽のセオリーで作られたものを食べることで、「知らない間に身体に効いていた」という感覚。
そこから、長くマクロビオティックを取り入れた生活をしてきた。 そして、沢山の挑戦もしてきた。
ただ、エステサロンの店長の仕事は、あまりにも忙しすぎた。
365日、休日も返上し、睡眠も削って働く日々。 それだけ、癒しを求めている人が多かった現実。
やってもやっても追いつかない。 結局、 真面目な彼女自身が体調と心のバランスを崩し、3年で燃え尽きた。
身体と心を一旦休めてリセットし、断食、瞑想、マクロビオティックで復活した。
ただ、もう、現代社会の歪みの中で、自分自身に負荷をかけ、お金にフォーカスし、稼ぎ続けなくてはならないような生き方は、もうしない。 そう決心した。
12年前の2011年のことだ。
≪自分自身と向き合うこと。 本質で生きること≫
辺りを見渡せば、知らないうちに身体にも心にも負荷をかけないと、生きていかれない人達が沢山。
そんな人たちのケアをしてきたはずなのに、自分自身の充電が切れたのだ。
街中のサロンでいくらケアをしても、扉を開けば、すぐにみんな日常へと戻っていってしまう。
「自分自身と向き合う」などという深い部分での本質的なケアなど、なされるわけもなく、ボディケアだけを繰り返す中で、彼女自身が自分自身を見失ったのだ。
自分自身もエネルギーチャージもできる田舎へと移住を決断し、滞在型のリトリートを始めた。
滞在型にすることで、自身のマインドを日常から切り離すことができる。
日常から切り離された時間と空間で、本当の自分自身と向き合うことの重要性を彼女自身が体験したことで、生まれたサービスだ。
今はどこにいても、誰とでも繋がれる、便利なテクノロジーのある世界。 だからこそ、希薄になってしまいがちな、一番大切な自分自身との繋がりを取り戻すこと。 デジタルデトックスも兼ねて、身も心もデトックスし、自分自身と向き合う。
(Photo by KAI)
そんな「甦りの場*すずなり」 今ではリピーターのお客様も多く、彼女の提供するサービスも彼女が大地と繋がりグラウンディングし、自分自身と繋がれば繋がるほど、バージョンアップしていく。
≪負荷をかけない生き方は、やがて、自然栽培の世界へ≫
彼女は言う。 「自然は、生きるために必要最低限のものは全て用意してくれている。 都会だとお金がないということは、死に直結してしまうけれど、田舎暮らしではMother Earthが私を生かしてくれているのだ、という絶対的な安心感を感じれる」と。
そんな中、「負荷をかけない」のは、人間にとっても大切なことだけど、自然*地球にとっても同じこと、と、自然栽培の農法へと導かれることに。 地球は人間だけのものではない。他の生物たちとも共存できる生き方をしたい、という想いが根底にあった。
(Photo by KAI)
何よりも一番最初に食べた無肥料・無農薬で作られた自然栽培の野菜の味が、パワフルで、エネルギーに満ちていて忘れられなかった。
「身体は食べたものでできている」本当にその通りだと思った。 そして、「病気を治せるような野菜を作りたい」と、かおるさんが自分自身で自然栽培を始めて、5年。
すずなりのお客様にも提供され、余力のある時は、販売もしている。
(Photo by KAI)
≪米作りスタートの流れに乗る≫
2023年に入り、食糧難の声が拡大していく中で、「米」「田んぼ」のキーワードが立て続けにやってきた。
そんな中、一人の自然栽培の米農家と出会った。 まるでアーティストのような佇まいの、まだ若い彼は、生きるのが苦しくて、苦しくて、もがきながら、何百冊も本を読んで探求した挙句、行きついた答えが「自分の命は生かされている」という真実。 その真実に辿り着いた時に「お米を作ろう」と彼は思ったそうだ。
引き込まれるように、ぽつぽつと語る、彼の話に耳を傾けた。
「生きることもそうだけど、自然農でもどうしたら、うまくいきますか?という問いに良く出会う。
でもね、答えなどないんですよ。 ただ自分自身でやってみるしかない。」
そう答えた彼の言葉が、妙に心に残って、ゆっくりと心に沁み渡っていった。
そして、大西つねきさん主宰の「生きることの本質サロン」から生まれた「氣合同会社(いきごうどうがいしゃ)」の、お米プロジェクトがスタートし、参入。
ミーティングの中で、一人の愛媛のメンバーが、「慣行農法→自然栽培への転換サポート」をしているのを知って、「私にもできる!」という想いが、すっと心に降りてきた。 やってみたいという想いが、やる!やれる!に変わった瞬間だった。
すぐに近隣農家の方にお話した。 思ったよりあっさり理解をいただき、慣行農法(従来の農薬や肥料を使う農法)だった田んぼを2反弱ほど転換させていただけることになり、 田植え、除草、水管理を任せていただき、自然栽培の米作りがスタートした。
(Photo by KAI)
全てが、初めてのことだらけ。
それでも 「農家の仕事は、 自然界を感じて、 作物の特徴を知り、 調整したり、 作物にお伺いを立てたり、 神社に豊作を祈願しに行ったり、 天に祈ったりする仕事」と、かおるさんの言葉は本質をついている。
そして、今回、一度だけ、お酢をまいた。 だから、自然栽培じゃなく、特別栽培米というカテゴリー。
無肥料、無除草剤、農薬不使用だけどお酢散布一回、の安全なお米。
≪自然と地球と共に在ること。原点回帰、そして統合へ≫
今、自然*地球と切り離され、不自然な世界で生きる人が沢山いる。 自分がどこに立っているのかさえ、わからなくなっている人たちも。
かつてのかおるさんも、そうだった。 だから、病んだのだ。
自然に帰依すればいいとは思いつつも、人類は今も自然からは離れ、むしろ破壊は止まらない。
そんな風に搾取するばかりの人間たちに対し、与え続けるだけの地球がいる。
何年か前のある日、地球からの大いなる愛を、どんな時も、常に与えられているのだということを知った瞬間があり、涙が止まらなかったそうだ。
「言葉にすると嘘みたいに軽く聞こえてしまうけど、私はそんな自然*地球に恩返しがしたいんよ。
(photo by KAI)
「色々と心の旅をしてきて、一周回って、今、原点に還ってきた気がしている」と、かおるさんは笑顔で話す。
他人に対する強要も、気負いも一切なく、統合を成した人は、常に中庸だ。
≪Surrenderする~そして希望を繋ぐ。 想いを繋ぐ≫
そもそも、自然の営み全てには、良いも悪いもない。
人間都合のエゴや欲は一旦、横に置いて、 自然と共に在るだけ。
地球に、自然に、Surrender(降伏)する。
彼女の作った野菜を食べた。 本当に丁寧に向き合い、作られたのを感じる。
意図的な、あるいは作為的な、美味しさとは違う。 パワフルさと共に、何とも言えず、優しい味がした。
彼女の在り方そのものだった。
自然に寄り添い、作物にお伺いを立て、天に祈る彼女の姿が目に浮かんだ。
全てはエネルギーなのだと、改めて思った。
「作物を褒められるのが一番うれしい。 誤魔化せないから。 私は自分と地球との約束に、忠実に生きるだけ」
そんな彼女が作るお米は、一体どんな味を醸し出すのだろう?
心配した台風7号直撃の時も、彼女は、ただ祈っていた。 そして、自然な形で育てられた彼女のお米は、しっかりと根を張り、全く問題がなかったそう。
「瑞穂の国」 収穫のその時が、待ち遠しい。
(photo by KAI)
「甦り」の瑞穂の地で、田んぼ一枚からの新たな挑戦。
彼女の経験した全ては、 昇華され、 統合され、 この先も「お米作り」へと繋がってゆくのだろう。
今日もまた、淡々と、何も言わずに、大地と、そして、自分自身と向き合う彼女の姿は「貴方もできるよ、変われるよ」という、静かだけれども、とても大切なメッセージを私たちにも伝えてくれている。
私たちの未来のためにも、一人一人がもう少し、自然と地球と寄り添った生き方ができるといい、そう、私も願っている。
一足先に踏み出した、彼女を応援したい。
そして。 私も、種を蒔こう。 日々、希望の種を。
(ライター/徳岡優子)
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「瑞穂の国」
慣行農法から自然栽培米への転換1年目のお米
無除草剤*無肥料*特別栽培米(食酢一回のみ散布しています)
品種:コシヒカリ
生産者/すずなりfarm*南かおる
〒622-9324
京都府船井郡京丹波町八田大門2番地
090-4645-4097
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■商品について
・10月中旬以降、順次ご用意いたします。
・「すずなりfarm」で販売しているお米は、全て色彩選別処理済みです。虫に食われた粒や、草の実、籾などが残っている場合もありますがご了承ください。
・全て石抜き処理済みです。
・「白米」は、玄米10kgを精米いたします。精米後は1割弱目方が減りますのでご了承ください。精米は無料でさせていただきます。
・販売予定分の在庫がなくなり次第その年度分の販売を終了させていただきます。
■商品のお受け取りについて(送料着払い発送)
・お客様がご不在の場合は不在通知でご連絡いたします。お届け日時を再度調整いただき、商品をお受け取りください。
・不在通知に記載の連絡先にご連絡いただけない場合や、お客様のご住所が不明の場合には、商品が自動的に当社へ返送されます。
・再送をご希望の方は、そのむねご連絡ください。受け取りができなかった場合も送料は発生し、当方で負担しております。その分の送料のお振込みが確認でき次第、再発送させていただきます。
・再送のご対応は1回に限らせていただきます。なお、お客様のご都合によるキャンセルはできません。
・お客様のご都合により受け取りができなかった場合も、商品代金の返金には応じかねますのでご了承ください。
■商品のお受け取りについて(現地受け取りの方)
・商品の受け取りを現地でのご希望の方は、受け取り希望日時をLINEアプリ、もしくは直接お電話にて、決めさせていただいてからのお渡しになります。
・受け取り日時が決まっていないと、直接来ていただいても受け取りできないことがあります。必ずご連絡ください。
・LINEアプリでのやり取りをご希望の方は、こちらから申請を出してください。
・お電話でのやり取りをご希望の方はこちらからお電話ください。
090−4645−4097(すずなりfarm 南かおる直通)
■返品・交換について
・不良品以外のお客様のご都合によるご返品・交換は出来ませんのでご了承ください。
その他ご注文に関して、ご質問やご不明な点などがございましたら、こちらまで返信をいただけますようお願いいたします。
詳しくは「特定商取引に基づく表記」にてご確認ください。
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■ このプロジェクトについて
当プロジェクトは、氣合同会社のお米プロジェクトです。
・自然栽培、有機・特別栽培などのお米販売代行
・慣行農法→自然栽培米への転換・販売サポート
・生産者と消費者を繋ぐ参加型イベントの運営
などの活動を通して、わたしたちの思いに賛同してくれる農家さんとともに、新しい世界の創造にチャレンジしています。
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